落語ヲタの腐女子がオススメする落語がテーマの小説4選
落語がモチーフだったり落語界がテーマの小説がいくつもある。その中から私の個人的に好きな作品を4作品(4シリーズ)紹介したいと思う。
『師匠!』立川談四楼
小説家としても活躍する落語家立川談四楼師匠が書いた作品。
師弟がテーマの五つの短編小説が収録されています。
どの作品もスッと物語の世界に読者を溶け込ませてくれます。そして作者が落語家さんだからでしょうが落語愛に溢れていて(偉そうにスミマセン)、一つ一つの物語を読み終える度に「尊い……」と拝みたくなる。
どの作品も素晴らしいので一番を選ぶのはとても難しいが、一番読み返したのは『すず女の涙』という作品。弟子が病の師匠のことが好きで好きでたまらないの読んでいて切なくなり、最後の師匠のセリフがもう……もう……(語彙力)
『笑酔亭梅寿謎解噺』シリーズ 田中啓文
不良少年が無理矢理、大酒飲みですぐに鉄拳制裁をするはちゃめちゃな落語家の弟子になることに。
落語が絡んだミステリー小説だが、連作短編みたいな感じなので気軽に読める。
あと、地味に師弟愛にキュンときたりする。
「こんなことあるわけねーだろw」ツッコミを入れたくなることもあるが、それを含めて楽しいエンターテイメントミステリー小説って感じである。
※以下、BL作品です。
『頬にしたたる恋の雨』久我有加
久我有加先生の作品の中にはこの作品以外にもいくつか落語界がテーマの作品がありますが、一番のお気に入りはこの『頬にしたたる恋の雨』です。
昭和初期。落語家として芽が出ず、席亭(攻)から万歳(漫才)に転向を勧められた主人公(受)。
BL作品ではあるが、昭和の演芸界を描いた物語としてもめっちゃ面白い。
文章の一つ一つがとても美しい、文学作品という印象を受けた。
性交のシーンで受けが関西弁で喘ぐ姿がめっちゃ尊くて、ニヤニヤするのを抑えられなかった。
物語は昭和初期ですが、戦後に二人がどうなったかまできちんと描いていてなんかもう、控えめに言って最高だった。
それにしても、資料調査とかこの作品めっちゃ大変だったんだろうなぁと思った。
『座布団』『花扇』 剛しいら
サラリーマンが会社を辞め落語家に弟子入りをする主人公。そこで出会った兄弟子と……そういうあらすじで語ってしまうのは勿体ない作品。
最初は「前座一年で二ツ目昇進wwww」とか「いや、この展開はおかしい」と私の中の落語警察がツッコミを入れていたが、なんかもう、気がついたらこの物語の世界に引き込まれていた。
現実ではありえないような展開になっていくので、ファンタジーの中の落語界……というような印象を受けた。
それでいて登場人物、特に主人公の師匠である初助師匠の生き様、落語に対する思いがとても丁寧に描かれている。
『座布団』の「品川心中」の章の後半はヤバい。
そしたらもう続巻の『花扇』でうああああっ!ってなる。
なんていうか……人生を描いた作品。
ほんと、やばい。この作品に出会えて良かったって思った。
尊い。まじ尊い。やばい。お願い。読んで。
※全体的に語彙力がなくてすみません。