落語好き腐女子の酒日記(仮)

落語と酒が好きな腐女子の日記です。

上野のピンク映画館に落語家出演のポルノ映画目的で突入した話。

9月5日、上野の老舗ピンク映画館、オークラ劇場に『蛸と赤貝』という柳家かゑる主演(現・鈴々舎馬風師匠)で落語家さんが多数する映画を観に行きました。
結論から言います。
純粋に映画を楽しみたい人にはオススメできない映画館です。
何故って?
ここでは一般的な映画館とは全く別世界なのです。
本当に男性に変なイタズラをされたいとかって人でない限り、女性、男性に限らず一人で行くのは絶対にやめた方がいいです。


これは、ピンク映画館として有名な上野オークラ劇場に純粋に映画目当てで行った男女カップルのレポです。


この日私達は上野で古本市を覗いたり、オシャレなカフェでお茶をしたりとごく普通のデートをしていました。そして上野公園を散策していると、オークラ劇場の前にたどり着いて目に飛び込んできたのがこちらの看板。

f:id:yukanagare:20190907223523j:image
『蛸と赤貝』主演:柳家かゑる(現・鈴々舎馬風
それは落語界の超大御所が、若き日に主演を務めたポルノ映画でした。
他の出演者を見ると今は亡きケーシー高峰先生、三代目三遊亭圓歌師匠が出演をしている。

f:id:yukanagare:20190907223550j:image
私達は二人して超がつくほどの落語オタクです。寄席や落語会にはよく足を運を運ぶし、落語絡みの本や雑誌も買う。
そして落語家が出演している映画となると、当然観たい。
そしてポスターに記された公開日は偶然にも今日までだった。

 「これ、めっちゃ面白そうじゃない?」
この後の予定が特になかった私達にとって絶好のタイミングだった。
「いや、俺もすごく観たいけど、本当にいいの?ここ、オークラ劇場だよ」


オークラ劇場が男同士で『そういうこと』をやる場所として有名なピンク映画館、と噂には聞いていた。
だが、私はストリップショーも行ったことあるし、ハプニングバーも行ったことある。今更ピンクな映画館ぐらいでビビらない。
というか純粋にこの映画が観たい気持ちが強い。
「でも本当に危ない映画館だよ。俺も一回面白半分で入ったら、突然隣に座ってきたおじさんに手を握られたし」
彼氏君は以前一人でオークラ劇場に入ったことがあるようだ。付き合って一年以上経つのに知らんかった。
なるほど。やはり男性が男性を誘う場であるようだ。
しかし、今日この機会を逃したら次いつこの映画を映画館で観れるだろうか?今日ここでこの映画を知ったのも運命ではないだろうか?
そう思い、私達は映画館へと突入した。
入るとごく普通のロビーがあり、受付の券売機でチケットを買う。一人1600円。映画館として金額は異様に高いわけでも安いわけでもない。
椅子とテーブルがあり、時間つぶししているだろうおじさん達が新聞を広げたり、テレビを見ながらぼーっと時間を潰している。
中には女装をした男性もちらほらいる。どうやら彼ら(彼女ら)はここに来てお目当ての男を物色しているようです。
私たちはお目当ての映画が決まっていたので前の映画が終わるまでロビーに座って、映画『蛸と赤貝』の下調べをしていた。
そういう映画館なので当たり前ですが女性はジロジロ見られる。まあ特に気にしていなかったが、映画館内に入る前にトイレに行こうとしたら、まず女子トイレは勝手に入れないように鍵が掛かっていたため、スタッフの人に言って鍵を開けてもらえた。何で女子トイレに勝手に入れないように鍵がかかっているのか…。まあ、そうせざるを得ない事情があるのでしょうね。
ちなみに後から彼氏君に聞いたのですが、私がトイレ入っている間、女子トイレの前をウロウロしているおじさんがいたそうです。

怖い。

 


前の映画が終わったので、場内に入った。一見するとごく普通のミニシアターだ。
彼氏君に手を引かれ、一番前の端の席に彼氏君が座って、私をその隣に座らせた。
「本当に気をつけて。だれか来ても隣に人を座らせないで」
そう言って私の横にわざと荷物を置きました。
「絶対に手を離さないで。本当に危険だから」
そしてジッと私の目を見てこう言いました。
「この映画館に俺たち以外に映画目当てで来る奴なんてマジでいないからな」
いや、どんな映画館なんだよ…。


ごく普通の場内アナウンスが流れ、辺りが暗くなります。
お楽しみ『蛸と赤貝』の開演です。
映画が始まって十数分。
何人かの男性が劇場内をウロウロして最前列に座っている私達を見ては去っていきます。
上映中のスクリーンの前を堂々と通っていくという普通の映画館だったらマナー違反も甚だしい人もいましたが、ここではやっている映画なんて殆どの人にはどうでも良いのです。
ここに来ている男性は男性に『ご奉仕』したい人、してもらいたい人、またはカップルがイチャイチャするところを見たいという人が殆どなのです。
立ってウロウロしていた人の一人がどこか背後の座席に座った気配がします。
すると間もなくベルトを外すような音が聞こえました。椅子に座ったと思ったら、違う所がタッたのでしょう。
すると今度はビニールのガサガサ音、チュパチュパ音が聴こえてきます。きっと後ろの方でフランクフルトでも食べているのでしょう。
スクリーンでは馬風師匠がおっぱいをパフパフし、女があえぎ声を上げています。そして私達の背後では男性の切ない喘ぎ声が聴こえます。
その間もいろんな男性や女装したお方が私達の前や横を通り過ぎていきます。
しかし、私達が黙ってスクリーンを凝視していると、残念そうな顔をしたり、舌打ちをしたりしながら去っていきます。


映画が始まって30分くらい経つと、1人のおっさんが私達の真後ろに座りました。劇場内はガラ空きなのに真後ろに座ったということに若干の恐怖を感じます。画面ではまた馬風師匠が女性の胸をパフパフしております。
背後から私の背もたれにおっさんが体を押し当てているのを感じます。
後で聞いたのですが、ここは確かに男性同士がイチャつく場でもありますが、
ここに来ている男女カップル=イチャイチャしたい、イチャイチャしているのを人に見せたい奴ら
という風に思われているのです。


椅子越しとはいえ背後からおっさんに体を押し付けられているという事実に次第に恐怖を感じます。
すると彼氏君が私にの方に体を近づけてきます。
(やだ…彼ってば大胆////)
どうやらおっさんが私と彼氏くんの椅子の間に顔を埋めて、私たちがエロいするのを間近で見ようとしていたようです。
それを防ぐために私の方に体を近づけて隙間から近付いてくるおっさんを背中でガードしていたみたいです(こういう優しいとこが好き)。
後に彼はこう語っています。
「あのおっさん、めっちゃ鼻息あらかった」
まさかおっさんは私たちが純粋な映画目的の客だと思っていなかったのでしょう。
私たちがいつエロいことをするのか、それを楽しみでわざわざ真後ろに座ったのです。
それなのに我々は手を握ったまま大真面目に映画を観ている。
おっさんにとっては期待ハズレもいいとこだったでしょう。


無事に映画が終わり、立ち上がる私達。そんな私達を見ておっさんは目でこう言っていました。
「お前ら何しに来たんだよ」


我々はただ純粋に映画館に映画を観に来ただけでした。期待を裏切ってごめんよ、おっさん。
そんなこんなで映画館を後にしました。

 

映画『蛸と赤貝』について。 

需要はあるか分からないが、映画の感想もきちんとカクよ!

ストーリーは超簡潔に言うと馬風師匠演じる若旦那が盗賊の女に惚れたことで起こるドタバタストーリーです。

ストーリーとしてはまあツッコミ所が(性的な意味でも)たくさんありましたが、落語好きとしてはかなり面白かったです。

馬風師匠がおっぱいに埋もれてニヤニヤする場面が面白くて面白くてw

でも喋り方の 、間の取り方は今の馬風師匠そのまんまでちょっと感動しました。

落語の『干物箱』や『湯屋番』『お見立て』などのネタが多数仕込まれているので落語好きはニヤリとできます。

出演者も落語家さんが何人かいて、都家歌六師匠の動いているのを観たのは私はこの日が始めてでした。

他にも三代目三遊亭円歌師匠が「山のあな、あな」を言っていたり、当時立川談十郎だった現・土橋亭里う馬師匠が出ていたりしました。

五街道雲助師匠も出演していたそうですが発見できず。

ちなみにこの日、上野鈴本には柳亭市馬会長が出ていたそうですが、この映画には馬風師匠、先代円歌師匠、という落語協会の会長を務めたお方が二人も出演していたので出演者的にはこちらの方が豪華だよ!(違)

が、出演者の中でも注目したいのはエロ漫談でお馴染みの今は亡きケーシー高峰先生!

ケーシー高峰先生が本当におっぱいを揉みながら連発するエロトーク!これはめちゃめちゃ面白かった!

ラストは安心のハッピーエンド。

マジで今の若い落語家さんとかに観に行って欲しい。

ただあの映画館で映画を観て声出して笑ってるの私らだけで、あとは時々、おっさんの喘ぎ声が合いの手のように入ってきた。


以上、人生初のオークラ劇場レポでした。


あとオークラ劇場には二階がありますが、こちらは女性、カップルは立ち入り禁止です。

つまり二階は…アッー!♂