落語をやってみようとした
私はよく焼き鳥屋やバーで一人飲みをするのだが、その場で知り合ったおじさんと適当な会話をするのが好きである。
話の中で「趣味とかある?」と聞かれると「落語が大好きです」と答える。
すると
「あー落語やってそう」
と言われたことが何度かある。
何故、私みたいな眼鏡が「落語やってそう」に見えるのか定かではないが、一人だけでなく何人からも同じように言われたことあるから、何かそういうオーラ的なものが出ているのかもしれない。
更には
「ちょっと何かやってみてよ」
と言われたこともある。
「落語は好きだけど、単なる客だから落語はできないんです」
と告げると
「おもしろいから向いていると思うよ」
と言われた。
酒の席の言葉なんて信頼できるものではないかもしれないが、そう言われると悪い気はしない。
それに落語をより深く知るため、一度落語をやってみるというのもアリかもしれない。もしかしたら、あがり症を治すきっかけにもなるかもしれない。
そんな思いが積み重なって先日、家に帰ってネットで落語教室を調べてみた。
今は本物の落語家さんがお稽古をつけてくれる落語教室もあるようだ。値段をクリックする。
10回で約3万円。それとは別に入会金が1万円。
プロから直接、それも一対一で教わることができるのだから安いくらいなのだろうが、今の私には恥ずかしながら手が出ない。
この話を職場の後輩に告げると
「じゃあ入門すれば良いじゃないですか。それなら無料どころか、前座としての給金や師匠方からお小遣いももらえますよ」
うーん……。
仕事がなくなり、路頭に迷うようなことになったら最終手段としてはアリかもしれない。
もっともこんな風に考えている奴を入門させてくれるような師匠がいるかは別問題である。