落語好き腐女子の酒日記(仮)

落語と酒が好きな腐女子の日記です。

人に安易に金を貸してはいけないという話

友人に売れない芸人の男がいる。
結婚の約束をして両親に挨拶もした彼女がいるのに他の女をナンパしたり、バイトをした金を全額パチンコに費やして友人のあちこちから借金をしているという、まずまずのレベルのクズである。最近では消費者金融レ●クにも手を出したらしい。
レ●クに金を借りているから仮に名前をレイ君としよう。


二年くらい前のことだ。そんなレイ君に金を貸してくれ、と頼まれた。
まあ貸す私も私だが、その時は経済的に余裕があったし、金を誰かに貸すということで社会的優越感を感じたかったため、三万円貸すことにした。
本当は直接渡すべきだったのだろうが生憎私は仕事で会える都合がつかなかった。
仕方がないので銀行で送金することにした。

私は銀行経由で相手に送金をするのがほぼ初めてだった。
機械の指示に従い手続きを進めると
『メッセージを添付できます。』の案内と共にテンプレートで何種類かのメッセージが表示された。
(へえ、こんな機能あるんだ)
初めての送金。やれる機能は使おうと思い
『無駄遣いしないでね』

のメッセージを選択した。
無事振込が完了した。

数日後レイ君から電話がかかってきた。
金を振り込んだことによるお礼の電話かと思うと開口一番彼が叫んだ。
「お前、何してくれてんだよ!」
事情が分からずポカンとしている私にレイくんが言った。


あの『無駄遣いしないでね』の紙が彼の住所の登録先である彼の実家に送られたのだという。
私はてっきりあのメッセージは彼が次に通帳を使った時に表示されるとかそういうものかと思ったら違ったようだ。

実家は大騒ぎになったそうだ。
結婚を約束した彼女がいるのに別の女から金を送金されている。その上『無駄遣いしないでね』のメッセージ付きで。
レイ君の両親は彼が浮気して女に貢がせてると勘違いし、怒りの電話をかけてきたらしい。
誤解を解くためレイ君は金を借りたことを告白。
彼は両親にこっぴどく怒られたのだという。


いや、私そんなに悪くなくね?

ちなみにその時の三万円は返ってきてない。

 

 

何故そんな話を今更買いたかって?

昨日その男と偶然道端で会ったからだよ。

お笑いライブの客引きをやっていた。奇跡が起きてアイツが売れたら、十倍返ししてもらおうと思ったが客引きもろくにできていなかったので今世のうちには無理そうだ。

来世に期待。