落語好き腐女子の酒日記(仮)

落語と酒が好きな腐女子の日記です。

友人を初めて落語会に連れて行く時に気をつけること

友人に「落語聴きに行ってみたいんだけど、今度連れてって」と言われた時、とても嬉しいのと同時にちょっと緊張する。
まず、社交辞令かどうかを見極める必要がある。
さりげなく社交辞令じゃないことを確認した後、落語会へ行く日程を決める。

ここからが本番だ。
どの落語会に連れて行くか、というのを考える。
特に落語を聴きに行くのが完全に初めてという人の場合は、私が連れて行く落語会が人生初の落語体験になってしまうし、それがその子の落語に関するイメージになってしまう可能性が高い。けっこう重大な責任である。
もしかしたら私が連れてった落語会で落語の大ファンになってくれるかもしれないし、反対に「落語ってやっぱ難しいな」と思われてしまうかもしれない。
だからその人に、軽く質問をし気に入ってもらえそうな落語家を頭の中でシミュレーションをする。

・漫才とか好きだからメインは爆笑系の落語をやる歌之介師匠や兼好師匠がいいかな?
・じっくりと噺を聴きたいみたいだから、さん喬師匠とかが良いかな?
・元々お笑いのシュールなコントとか好きだからあえて鯉八さんとか?
・テレビに出ている人がいた方が良いらしいから正蔵師匠や昇太師匠が出演する会にしぼろうかな?
・下ネタ好きだからいっそブラック師匠やぽんぽ娘さんで攻めるか?

なんて考えて方向性を決める。
それから落語会情報が載っている月刊誌『東京かわら版』を開いて良さそうな会をいくつかピックアップしたりする。

まず一番良いのは寄席だ。
寄席は毎日やっていて色んな落語家さんが15分くらいで入れ替わり立ち代り出演する。
落語以外にも漫才や記述も楽しめる。
だが、落語初めて聴く人にいきなり通好みの落語家さんばかり聞かせても「うーん……」ってなるし、いくら出演者が良くても立ち見の時に連れて行くのも酷である。
また寄席には『代演』と言って出演する落語家がお休みで代わりに別の出演者が出ることも珍しくない。土日なら尚更代演が多い。
自分一人で行く時は気にしないが、友人を連れて行くとなると、ネットなり何なり出演情報をチェックしないといけない。
だが、正直ピンと来る出演者でなかったり、中には寄席は敷居が高いと思う人もいる。

そんな時は地域寄席のようなものやホール落語も候補に入れたりする。
ただ、落語初体験の子の場合は独演会はなるべく避けるようにしている。
良くも悪くもその一人の落語家さんの印象しか残らなくなってしまうからだ。
(ただし、相手が○○師匠の独演会行きたいと言った場合は除く)
もしホール落語なら二人か三人出演する落語会を選ぶ。カラーの違う落語家さん(新作と古典とか)だと更に良い。


いざ連れて行って「面白かった!」と行ってもらえるととても嬉しい。
お世辞なこともあるだろうが、中には何度か一緒に落語会に行ってくれるようになった人もいる。


ある落語家さんがこんなことを言っていた。
『落語を好むハマるはその人の持つ縁で決まる』とかなんとか。

なるほど。私の周りの落語ファンは段階を踏まず突如ハマるってパターンの人が確かにいる。
幅広い趣味趣向の人々が偶然出会った落語に突如ハマっていく、偶然か必然か分からないが実は落語って理解を超えてすげえヤツなのかも知れないと、ちょっと恥ずかしいことを思ったりする。

些細なきっかけが落語を広める縁になるなら、私はこの完全自己満足ブログを今後も続けていきたい。