落語好き腐女子の酒日記(仮)

落語と酒が好きな腐女子の日記です。

1000年に1人の逸材と言われた地下アイドルのライブに行ってきた話①

※特定が怖いので人名や地名等、一部情報を変えたりしています。


12月の某日、とある事情で某地下アイドルのライブへ行ってきた。
内容としては
『アイドル歌手カナちゃんと都内各地の寄席に出ている某演芸家W師匠によるコラボライブ』
だった。
ちなみにそのカナちゃんはneverまとめ上で『1000年に1人の逸材の地下アイドル』と言われていた。気になったらググってくれ。当たり前であるが、橋本環奈ちゃんではない。

開催地である会場は新宿の繁華街の地下にあり、キャパは30くらい。
受付で入場料1000円を払うとワンドリンク(アルコールも可)付だという。この広さの会場で1000円でワンドリンク付…採算取れるのか。
中に入ると客なのかスタッフなのかわからない人が何人もいた。
ただスタッフ含めても二十人もいなくて、多分客は十人いるかいないか、くらい。
ほぼ皆顔見知りらしく、会うと握手をして次のライブの話等をしている。
幸い私が席に着いてすぐにライブが始まった。
何人かのお客さんはスマホを三脚に立てて、ライブの様子を最初から最後まで撮影していた。どうやら写真撮影、動画撮影自由のようだ。

※ちなみに私は色々怖かったので一切撮影しなかった。

プロデューサー兼MCのお兄さんによる挨拶、カナちゃんの自己紹介の後、カナちゃんの曲が二曲連続で披露された。
歌唱力云々は私にはよく分からないが、普通に歌は上手かった。いや、それより歌のメロディと歌詞が予想外にしっかりしていた。
(あれ、意外と良い曲じゃん)
気になって後で調べたら別の人の曲のカバーだった。自分の曲じゃないんかい。
いや、それよりも気になるのはカナちゃんの横で踊っている美少女マスク(下図)

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を被った女性(だと信じたい)と、最前列に座り客席が盛り上がっているか常に後ろを向いて確認していた見た目ヤクザのスキンヘッドのおじさんだ。
美少女マスクの女性(仮)は名前をアリスちゃんと言ってダンサーらしい。ただ一言も喋らない(喋れない)ためそれ以上の詳細は分からないが、そのアリスちゃんがずっとペンライトと振りながらカナちゃんの横でステップを踏んでいる。
そして客席にいるスキンヘッドのおっさんだ。
おっさんは曲が始まると体を振り、ノリノリで時々立ち上がりながら手拍子をしている。そして何度も客席を振り返り、盛り上がりを厳しい表情でチェックしている。
正直怖かった。とりあえずそのおっさんや他のお客さんのマネをして手拍子をしておいた。


続いて出てきたのが芸人だという着物風なヴィジュアル系衣装を身に纏ったロングヘアーの兄ちゃん。
前に簡単なドラムセットを置いて、何とガチの古典落語『死神』をやり始めた。
ただ、本来の落語と違うのは扇子と手拭いの代わりにドラムセットで音等を表現することだ。
例えば落語では
扇子で床をトントン叩いて
「こんにちは、誰かいますか?」
などと言って扉を叩いているのを表現する。
それをこの兄ちゃんはドラムを叩いて表現する。
それ以外は余計なギャグとかを入れないガチの古典落語。それなのに合間合間にドラムが鳴る。シュールすぎるだろ。
いや、落語上手いから普通にやって欲しかったわ。
ちなみに落語好きの皆さんはご存知でしょうが、『死神』は最後、主人公が死に舞台に倒れて終わるのですが、落語初聴きであろうお客さん達は、落語が終わったということが全く分からず拍手が起こる気配がなく、五秒くらい横に突っ伏していた兄ちゃんが起き上がって気まずそうに「終わりです、ありがとうございました」って言うとようやく拍手が終わった。
いや、あなた普通に落語やった方が絶対ウケるって……。


続いて出てきたのが妙齢のシンガーソングライターを名乗る女性。
自作のオリジナルソングを歌う。いや、それくらいでは別に驚かない。
すると間奏の部分で舞台から降りて客席の一人一人と握手をし始めた。気まずさMAXである。
歌が終わると今度はモリー君と名付けられた自作のヤモリのパペットを取り出してそのモリー君との漫才を始めた。笑いどころが全く分からない。
なんなんだ、この空間。


次に出てくる落語家さんはこの空気で何をやるのだ…?

 

 


②へ続く