落語好き腐女子の酒日記(仮)

落語と酒が好きな腐女子の日記です。

1000年に1人の逸材と言われた地下アイドルのライブに行ってきた話③

※特定が怖いので人名や地名等、一部情報を変えたりしています。

 

〜前回までのあらすじ〜
地下アイドルライブの空気についていけない私。
そしてどんな場所でも落語をやりきるW師匠しゅごい。


①はこちら
https://yukanagare.hatenablog.com/entry/2019/12/30/1000%E5%B9%B4%E3%81%AB1%E4%BA%BA%E3%81%AE%E9%80%B8%E6%9D%90%E3%81%A8%E8%A8%80%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%9C%B0%E4%B8%8B%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%AB%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96


 
②はこちら
https://yukanagare.hatenablog.com/entry/2019/12/31/1000%E5%B9%B4%E3%81%AB1%E4%BA%BA%E3%81%AE%E9%80%B8%E6%9D%90%E3%81%A8%E8%A8%80%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%9C%B0%E4%B8%8B%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%AB%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96


カナちゃんの歌謡ショーの前に司会の兄ちゃんとカナちゃんの本日初披露の新曲の作詞家であるS先生が舞台に登場した。
司会の兄ちゃんが
「S先生はあの美空ひばりさんや石川さゆりさんの歌の作詞した大御所の☆☆先生のお弟子さんである○○さんと親交が深かった■■さんと共に作詞家修業をされていたんですよね」
と言った途端に拍手が起こった。
いや、大御所の☆☆先生全く関係ないやん。

それからS先生の新曲に対する思いを聞かされる。らそれを頷きながら聴いているスキンヘッド。もう舞台よりこっちの方が面白いのでは…?
S先生がカナちゃんの歌の才能を絶賛し、最後に
「君からは石川さゆりと同じ売れる匂いがする」
そう言った途端、再び客席から拍手が起こりカナちゃんが嬉しさのあまり涙ぐむ。
そして新曲披露。それは切ないバラードのような恋の歌。
スキンヘッドが立ち上がると客席後方に行き、新曲を聴きながら早速踊りのフリを作って踊っている。
いや、あなたその才能何か別のものに活かせるって。
そしてその後、別の曲を何曲か披露する。確かに色んなタイプの曲を歌い分けられるカナちゃんすごいな。
そして全ての曲を終えてカナちゃんが舞台袖に下がる。
するとスキンヘッドをはじめ、数名が手を叩きながら「アンコール」のコールがかかる。

するとMCとW師匠が舞台に登場。
司会の兄ちゃんが「はい、アンコールありがとうございます。カナちゃんが今アンコール用の衣装に着替えているので、その間私とW師匠のトークで繋ぎたいと思います」
なるほど。アンコールあるの前提だったんだな……。
アンコールがもしゼロだったらどうしていたんだろう。
カナちゃんが着替えている間に、司会の兄ちゃんから「師匠はお仕事でいろんな場所で落語を演られると思いますが、どこか変わった場所で演った経験はありますか?」と言われたW師匠が
「この会場ですね」
と即座に返した。
そしてW師匠が営業先での面白エピソードを語り始めた。
すると、着替えの終わったカナちゃんがW師匠が面白エピソードを話している最中に手作りクッキーを配り始めた。
いや、せめて師匠の話終わるまで待ってあげてよ……。
衣装を着替えたカナちゃんが落語がテーマの曲を歌う。
合いの手で落語の演題や志ん生師匠をはじめ名人の名前が入るの面白いすぎる…。


全ての曲が終わって抽選会が始まった。
賞品はお酒、美容グッズ、電化製品など。
ちなみに入場料は1000円でワンドリンク付。そして全員に当たる1000円以上の景品。マジでどうやって採算とっているんだ…。
ちなみに私は焼き菓子の詰め合わせが当たった。ネットで調べたら2000円だった。
マジでどうやって採算とっているんだ…(二回目)
ちなみに特賞の豪華景品(蟹。自宅に郵送される)は全員でじゃんけんをして獲得者を決める。


普通じゃんけんだと勝ち残りであるのだが
「カナちゃんと気持ちが通じている人に受け取って欲しいのでアイコの人が残る方式にしましょう!」
という司会の兄ちゃんの言葉でアイコ残りじゃんけんが始まった。
ちなみに私は即負けた。


こうして全てのライブが終わった。即会場を出ようとしたらスキンヘッドに呼び止められた。
「君はこのライブ始めてかい?今後カナちゃんのライブはどこに来る予定?」
嫌な予感がしたので「ごめんなさい、私終電の関係があるので…」
そう言うと
「どちらにお住まいなのですか?」
と食いついてきたので
「いや、うち群馬のど田舎なので…」
と嘘をついた。
ごめん、群馬の人。
周りの人達はスマホを取り出して連絡先交換をしている。スキンヘッドが携帯を取り出しそうにしたので連絡先交換の流れになると怖いのでダッシュで会場を出た。
家に帰り、抽選会で当たった焼き菓子を見つめる。
これは、自分一人で食べたくない…。今度、お世話になった人に渡そう、そう思い袋に仕舞おうとしたら賞味期限が五日間しかなかった。
仕方がないので、焼き菓子の包みを開けてみた。
ご丁寧に熨斗紙がついていてそこには会社の名前とカナちゃんの名前が掲載されていた。
誰かに渡さなくて良かった。本当にそう思った。

 

 

 

感想として。
完全に別世界だった。
私にはよく分からない世界に熱狂している人達。確かに怖くなかったと言えば嘘になる。
だけど、私はネットでよく大好きな落語家さんの画像をリツイートしたりして
「可愛い。この世の天使だ」
「羽織もえっちだし、私服はもっとえっち」
「今日の『寿限無』も最高だった」
等とツイートしているが、それがツイッターのタイムラインに流れているのを見て、もしかしたら落語好きというわけではないフォロワーの皆さんも、地下アイドルのライブに行った時の私と同じような表情で私のツイッターを眺めているのかもしれない。
私とスキンヘッドさんは好きなものに情熱を向けているという意味では実はとても似ている存在なのかもしれない。


スキンヘッドはいつまでカナちゃんのファンを続けるだろう。
カナちゃんはいつまでアイドルを続けるんだろう。
そして私はいつまで落語ファンを続けているんだろう。

そんなことを少しだけ考えた。


地下アイドルライブ……。自分の人生に迷ったら一度行ってみると良いかもしれません。きっと色んな刺激を得るでしょう。
どうなっても私は責任を負いませんが。